ここで勝てば日本サッカーのオリンピック史上最高成績が確定します。
歴史が変わるかもしれないこの試合。
相手はオリンピック直前の強化試合で引き分けたU-24スペイン代表。
強化試合では引き分けでしたが、U-24スペイン代表はあの試合より本気度も熟成度も格段に上がっています。
対するU-24日本代表は冨安が累積警告で出場できません。
どのような試合だったのでしょうか。
あくまでも個人的採点です。
採点
U-24日本代表 0-1 U-24スペイン代表
6.0が及第点です。
【GK】
谷 7.0
何本か危ないパスミスがありましたが前半38分、後半20分、後半43分と何本ものスーパーセーブで日本を救いました。
最後まで集中を切らすことはありませんでしたし、失点はもう相手のゴールが完璧だっただけです。
まだ20歳という恐るべきGKなのでA代表でもっともっと経験を積んでほしいです。
【DF】
中山 7.0
板倉、遠藤、田中と協力して左サイドからの攻撃を見事に食い止めていました。
延長後半の最後まで、日本の左サイドの深い位置まで攻め込まれるシーンはほぼありませんでした。
ただその最後でやられてしまいましたが・・・
攻撃ではタイミングとポジショニングの良いオーバーラップで惜しいクロスを上げていました。
今大会でかなりレベルの高い左サイドバックになったと思います。
今日のプレーでも批判する人いるんでしょうか。
板倉 6.5
身体を張った守備で懸命にスペインの攻撃を防いでいましたし、何本も日本を救うシュートブロックを見せてくれました。
ただディフェンスラインの4人の中では1番ピンチを招くシーンが多かったです。
吉田 7.0
疲労が気になりますしその影響で少しスピードが心配でしたが、1対1ではほぼ負けませんでしたし板倉のカバーもしっかりしていて安定感がありました。
PKかと思われたシーンも吉田のスーパープレイでした。
実力、経験共に間違いなく日本史上最高のDFだと思います。
銅メダルを獲るために次の試合も出てほしいですが正直、もうゆっくり休ませてあげてほしいです。
酒井 7.0
試合を通してスペインは日本から見て右サイドからの攻撃が多かったので守備に回る時間が多かったですが、粘り強い守備で楽にクロスを上げさせませんでした。
吉田、板倉が何度も跳ね返せていたのは酒井の守備のおかげでもあると思います。
後半から堂安へのクロスなど攻撃を仕掛けるシーンも増えましたがゴールには繋がらず。
【MF】
田中 6.0
遠藤とともにしっかり身体をぶつけてスペインの攻撃を防いでいました。
ただやはり田中が求められているのは攻撃面だと思います。
押し込まれた試合や格上相手だと決定的なパスが出せませんでした・・・
海外では守備よりも持ち味の攻撃を磨いて日本のピルロになってほしいです。
遠藤 7.0
前の試合よりかなり調子が良いように見え「デュエル王」らしいプレーでスペインの攻撃を潰していました。
ただ相手のレベルも高く、田中と横並びになったときにディフェンスラインとの間を突かれるシーンも何度かありました。
来年のワールドカップでまた田中とのコンビを見たいです。
旗手 6.5
今日も持ち前のスタミナとスピードで相手にプレッシャーをかけ、前線からの守備で奮闘しました。
カウンター時は裏を狙って走ったり自分で運んだり、本当に何でもできる選手になりました。
まだまだ経験が必要だと思いますが左サイドバックもできますし、旗手と中山で「長友の後継者問題」が一気に解決したように思います。
来年のワールドカップメンバーに入ってほしい選手です。
久保 6.0
押し込まれる展開かつスペインから要注意人物と徹底マークされていたので、得意な形でボールをもらえる機会は少なかったです。
後半の最後の方で惜しいシュートはありましたが、それ以外にあまり印象に残ったプレーはありませんでした。
守備もめちゃくちゃ頑張っていたので厳しい気がしますが、期待を込めて6.0です。
堂安 6.0
今日は守備に追われる試合でしたがその割にはボールを触る機会も多く、調子は良かったんじゃないかと思います。
ただ相手のレベルが高く、もう一皮剥けないとこのレベルの相手をドリブルで抜いてゴールを決めるというのは難しいと思います。
後半開始直後のシュートが決まっていれば・・・
まだ3位決定戦は残っていますが、PKでの1点のみと不完全燃焼のオリンピックになったと思うのでこれからA代表での爆発に期待です。
【FW】
林 6.0
応援している人間の気持ちを熱くさせるプレーです。
献身的な前線からの守備と身体を張ったポストプレーで何度もチャンスを作りました。
ただシュート時の力みやディフェンスラインとの駆け引きなど、FWとして求められる基本的なプレーの精度を上げないとA代表には入れないと思います・・・
【SUB】
上田 5.0
ほぼ何もできず。
相手のパスコースを限定しながら寄せていくので全然走っていないように見えるのは少し損な気がします。
ただそれにしても前線からの守備にもバリエーションが欲しかったです。
コースを限定する守備だけでなく、たまには全力でサイドからサイドまで追い回すなど相手に「コイツ何やってくるかわからない」と思わせる守備をしないと・・・
カウンターに体力を残すという意味合いもあったと思いますが、凄く印象の悪い試合でした。
今回選ばれているFW3人の中で1番好きな選手なので、もう少し気迫を見せてほしかったです。
相馬 6.0
格上相手の途中出場でリズムに乗れなかった印象です。
相手のタイミングを外すドリブルが得意なんですが、目の前の相手しか意識していない分タイミングを計っている間にゴール前を固められるというシーンが目立ちました。
「最初のタッチで加速していれば・・・」と思うシーンが何度もありました。
それでも積極的に勝負し何本も良いクロスを上げていました。
前田 5.5
守備では奮闘していましたが、得意のスピードを生かした攻撃はあまりできず。
足下の技術がもう少し上達すれば日本の本当の切り札になれると思います。
三好 5.5
久保の代わりにトップ下に入りましたがゴールは奪えず。
延長後半の攻撃で決めたかったです・・・
橋岡 -
時間なし。
【まとめ】
負けてしまいました。
ただそれでも凄く良い試合でしたし、まさに心が震える試合でした。
選手たちの必死なプレーや「負けたくない」という気持ちが前面に出ていて感動しました。
なので負け試合の割に、特に守備陣は点数高めです。
このチームでの試合が残り1試合と思うと寂しいですね。
負けたとはいえフル代表常連メンバーが多数いるU-24スペイン代表にここまでやれたんですから、この年代の日本代表は世界上位の実力だと思います。
コロナやアスリートへの誹謗中傷で嫌なニュースが多いですが、日本のサッカーの未来は明るいです。
2列目より後ろの選手たちは来年のワールドカップメンバーに食い込んでくるでしょうし、来年が楽しみです。
最高の試合でした。