少し前、麻生大臣が「老後2000万円必要」と言ったことについて物凄く不毛な争いが起きました。
まぁ「今の消費が落ち込む」など色んな意見はあるでしょうが、この発言に関しては「それぐらいの目安なんだ」ぐらいに留めとくだけでいいのに・・・と個人的に思いました。
ただこの発言があってから老後に向けて「貯金」ではなく「投資」や「運用」に目を向ける人が増えたのは良いことだと思います。
iDeCoやNISAなどありますが普段、僕が扱う保険にも「変額保険」という商品があります。
個人的には良い商品だと思うのですが仕組みが複雑なので正直、金融知識がゼロの方はやめておいた方が賢明です。
ただ、金融知識ゼロなのに保険の営業のトークに騙されて「確実にお金が増える」と勘違いして(騙されて)入る方がいるので、今日は本当に初歩的な注意点だけ書きたいと思います。
- ①いまだに銀行の「預金金利」と保険の「積立利率」を比較して優位性をアピールする営業がいる。
- ②過去のデータなんてアテにならない。
- ③「物価上昇」とか小難しい話をしてくる営業にはご用心。
- ④来店型の保険ショップはできるだけ土日に繁盛しているかどうか下調べしましょう。
- 【まとめ】
①いまだに銀行の「預金金利」と保険の「積立利率」を比較して優位性をアピールする営業がいる。
以前も書いたのですが、この2つは単純に比較できません。
よく「72の法則」「金利の力」などの流れから「大手の銀行の普通預金金利は0.001%、変額保険は〇%(3%や5%)で運用できている」みたいなことを言う営業がいますが、保険は払った保険料からいくらか保障に回っています。
確かに銀行より利率は良くなると思いますが変額保険をより良く見せるための公平でない比較になっているので気をつけて下さい。
逆に「銀行は月1万円すべてが貯蓄に回りますが、変額保険は月1万円から保障の分や必要経費が引かれるのですべてが運用に回るわけではありません」と説明してくれるような営業の方は信用しても良いかもです。
②過去のデータなんてアテにならない。
「過去数十年のうち、この保険で20年間運用したとすると、どのタイミングで20年切り取ってもマイナスにはならない」というようなデータをどこの会社も出しています。
(S生命、A生命、TA生命など)
僕も最初はそのデータを信じていました。
しかし先日、S生命の変額終身保険に20年以上加入している方の内容を見せてもらったのですが運用はマイナス50万円以上になっていました。
(運用先の割り振りは不明でしたが・・・)
過去は過去であって参考でしかないので、長期で運用したからといって「マイナスにはなりません」などということは絶対にありえません。
僕は現実にマイナスになっているお客様を見てから変額保険はオススメしなくなりました・・・増え幅は少なくても確実に増える保険だってありますし・・・
ちなみに↓は日本の年金の運用先です。
老齢年金どうなりますかね・・・
③「物価上昇」とか小難しい話をしてくる営業にはご用心。
なぜか「物価が上昇すれば運用部分も増えます」みたいな説明に「そうなんですね」ってすんなり納得するお客さんいますけど、もう少し疑った方がいいですよ・・・
物価上昇(インフレ)=景気上昇というのはあくまでも理論上ですからね・・・
ここ数年どんどん物の値段が上がっていますが景気が良くなったように感じますか?
最近はそういう過去の経済理論や定石が通用しなくなっているから不景気のままなんです・・・
アメリカ経済も長期的に成長し続けるかどうか分かりませんし・・・
小難しい話をされたときは「これ、そうなるかのように言ってるけど全部タラレバの話じゃないか?」と冷静になりましょう。
④来店型の保険ショップはできるだけ土日に繁盛しているかどうか下調べしましょう。
これは注意点というよりアドバイスですが理由は2つ。
・1つは当然、質の良い営業が多く人気な店の可能性が高いから。
・もう1つは、集客の少ない店だと高い保険をふっかけられる可能性が高くなるからです。
保険屋というのは営業なのでノルマや歩合というものがあります。
お客さんがたくさん来る店だと、そんなに高いお申込みを貰わなくても数でノルマを達成できるので、お客さんに合った提案をできます。
逆にお客さんが少ない店だと、お申込みの数が少ないので同じ提案だとノルマを達成するのが難しくなります。
そうなると1人のお客さんにいかに高い保険を契約させるかを考えるようになるんですよね・・・
【まとめ】
以上、注意点を4つあげましたがあくまでも個人的な意見です。
貯蓄や運用を考えるときは自分が「大きく増えなくても良いから確実に増やしたい」のか「減るリスクはあるが上手くいけば大きく増える可能性がある方がいい」のか、冷静に考えましょう。
ただでさえ難しいと思っていた保険に「運用」まで取り込んで20年、30年後に内容を把握できますか?
自分のお金のことは自分でしっかり考えましょう!